運動習慣をつけたい
今週のお題「運動不足」
みなさんこんにちは。医学生の山田です。
本日は運動について書いていきます!
運動って、意識しないと継続できないですよね。私自身も2月まではバリバリ運動していましたが、コロナの影響で部活が禁止されてからはほとんど運動していませんでした。
最近はバーピー100回×3みたいな高強度の運動を取り入れるようになりましたが、正直キツすぎて今後も続けられるか自信がないです(笑)
運動は体に良いとわかっていても、やる気が起きなくて続けられない。そんな悩みは誰もが経験したことでしょう。
ここで、継続について考えてみました。
何かを継続するためには習慣化が大事ってよく言われますよね。例えば、朝起きたら顔を洗いますし、食事をしたら歯磨きをします。こうした習慣化を運動にも当てはめることができれば、きっと運動不足に悩むことはないと思います。
そこで、今回は習慣化する方法について思いついた事を書き上げていこうと思います。
習慣化案その1
「朝起きたら、顔を洗うよりも前に運動をする」
人の体内では、朝起きるときにコルチゾールというホルモンが分泌されています。このホルモンは肝臓や筋肉の働きを活性化するなど、体の動きを活発化させるホルモンです。
(コルチゾールは別名ストレスホルモンとも言われており、ストレスを感じた時にも分泌されます。ストレスで不眠症になるのは、コルチゾールが眠りを妨げているためとも言われています。)
さて、私がなぜ朝イチの運動を提案するかというと、もともと人の体内で体を活発化させるホルモンが作られているなら、運動をしてその作用を強めてしまおうと考えたからです。
運動をすると血圧が上がり、体の血行が良くなります。こうすることでホルモンも効率よく働くようになるので、良い影響があるはずです。
また、運動すると血圧が上がると書きましたが、運動は軽度の低血圧にも有効だと思います。朝は低血圧で動けないという人は、軽い運動をしてみてください。いつもより体が軽くなった感じがしたのではないでしょうか。
ただし、気分が悪くなるのであれば運動は控えましょう。健康を第一に考えることが大切です。
さて、運動内容としては、軽度なものならスクワット30回くらいが良いと思います。最後に少し息が上がるくらいですね。もし強度を上げたいならバーピーや片手腕立てなどを取り入れてはどうでしょうか。すぐに心拍数を150くらいに上げられます。
私は毎朝ジャンプ腕立てを30回していますが、朝起きた瞬間からヘロヘロになります。でも終わった瞬間にはスッキリ目が覚めて日中のパフォーマンスも上がるので気に入ってます。
皆さんも是非、朝イチ運動を試してみてください。
習慣化案その2
「夜、風呂に入る前に運動する」
適度な運動をすると睡眠の質が上がるってよく言われますよね。この案では、深部体温が下がることで眠くなるという人体の性質を利用してみました。
運動や入浴によって人の深部体温は上がり、1~2時間後に深部体温は下がり始めます。このように深部体温が上下すると、人は眠気を感じやすくなるのです。
皆さんも学校のプールの授業の後に眠くなった経験がありませんか? これも、水に浸かることによって深部体温が低下したため、あるいは高強度の運動をした後に深部体温が急激に下がった(元の値に戻った)ため、眠くなったと考えられます。
したがって、運動と風呂を組み合わせることで深部体温を大きく変化させることができ、夜の快眠が得られるようになるのです!
しかも、汗をかいてから風呂に入ると何とも言えない満足感が得られるので、これによって1日の疲れを低減させることもできて非常におすすめです。
以上、とりあえず運動習慣化案を2つ提案させて頂きました。運動のデメリットはほとんどないので(運動中の怪我の危険性があるくらい)、是非皆さんも運動を習慣化してみてください。
もし一人では難しそうなら、家族や友人と一緒に挑戦してみるのも良いと思います。オンラインで友人と同時に運動するのは、今風で面白そうですね。
本日は「運動不足」について書かせて頂きました。
これからも医学情報を発信して参りますので応援よろしくお願いします。
はちみつとボトックス
今週のお題「好きなおやつ」
みなさんこんにちは。医学生の山田です。
今回は「好きなおやつ」について書いてみます。
、、、と書き出してみたものの、正直なところ、全然好きなおやつが思い付きません笑
ポテトチップスは3年くらい口にしてないし、チョコレートも、人からもらう程度で自分で買うことはありません。たぶん一番好きなおやつはドーナツなんですが、そのカロリーを知ってしまうと食べる気もなくなってしまうんですよね...
それでちょっと方向性を変えて「毎日食べてる甘味」について書こうと思います。
余談ですが、この一ヶ月を振り返ってみて、我ながら驚愕しました。9月に食べた甘い物はバナナ、オレンジ、蜂蜜、この3つだけだったのです。
偏食は良くないと思い、肉や魚、豆、野菜など様々な食材を食べているつもりでしたが、甘味は盲点でした。今月は反省して、色々な果物を食べようと思います。
さて、話を戻して毎日食べている甘味についてですが、月に3種類しか食べていないにも関わらず蜂蜜は毎日食べています!
蜂蜜って美味しいですよね。ミツバチに感謝です。
蜂蜜にはたくさんの種類がありますよね。アカシア、リンゴ、みかん、そば、レンゲ、マヌカなど、覚えきれないほど多種多様です。
それでは、これら全ての蜂蜜の共通点って何でしょうか?
医学生に答えさせたら十中八九こう答えるでしょう。
「ボツリヌス菌です笑」と。
ボツリヌス菌は空気がない環境で生活する細菌です。蜂蜜の中では、ボツリヌス菌は「芽胞」と呼ばれるカプセルの状態で眠っており、腸の中で目覚めます。SFに出てくるコールドスリープ状態みたいな物です。
ボツリヌス菌は腸で目覚めるのですが、ほとんどの場合、蜂蜜を食べても何の症状も出ません。それは、腸の中にはたくさんの腸内細菌がいて、ボツリヌス菌が増えないためです。しかし、赤ちゃんの場合、腸内細菌が不十分なのでボツリヌス菌が増えてしまいます。これが赤ちゃんの命を危険に晒してしまうのです。
ちなみに、ボツリヌス菌の毒素は自然界では最強と言われるほどで、青酸カリの10万倍の毒性があります。
赤ちゃんに蜂蜜をあげてしまうとボツリヌス菌が増えて、この恐ろしい毒素を作り出すので、赤ちゃんに蜂蜜をあげてはいけないのです。1歳未満の赤ちゃんには、絶対に蜂蜜をあげないでください。
また、自分で缶詰を作ったりする場合、缶の中でボツリヌス菌が増えることがあります(酸素がないため)。缶の中で作られたボツリヌス毒素は食中毒を引き起こし深刻な症状を呈する危険性があるので、なるべく市販の缶詰を買うようにしましょう。
しかし、ボツリヌス菌は人体に有害なだけではありません。
皆さんはボトックス注射という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ボトックスというのは「Bo(ボツリヌス)+tox(毒)」で、ボツリヌス毒素のことを指しているのです。
毒素を注射するなんてとんでもない!と驚く方もいると思いますが、ボトックスには筋肉を働かなくさせる効果があり、これが治療に役立つのです。
この毒素は神経が筋肉を動かす経路を遮断するので、筋肉が柔らかくなります。これが毒として働くと呼吸ができなくなり死に至るのですが、適切な量であれば治療として使えます。
例えば、顔のひきつりなどは筋肉が動きすぎている状態なので、ボトックスによりこの症状が治ることがあるのです。
非常に興味深いですよね。毒と薬は表裏一体なので、このような例を調べてみると面白いと思います。
「好きなおやつ」からボツリヌス菌について語るとは思いませんでしたが、この文章が皆さんの気分転換などに役立ったら嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。これからも医学情報を発信して参りますので応援よろしくお願いします。
【今さら聞けない!】DNA、遺伝子、ゲノムの違い
みなさんこんにちは。医学生の山田です。
今回は、DNA、遺伝子、ゲノムの違いについて解説します。
生命科学がかなり進歩して身近になってきたので、ニュースなどの様々なメディアでDNAやゲノムといった言葉を聞く機会が増えていると思います。
これらは普段何気なく聞き流している言葉だと思いますが、もし小学生に聞かれたときに説明できるでしょうか?
かくいう私も小学生に説明できる自信はあまりありませんが(笑)、できるだけわかりやすく解説しようと思います。
1. ゲノムについて
まずはヒトの遺伝情報について、全体像をご説明します。
全ての人は、両親から半分ずつ遺伝情報を受け継ぎます。外見が両親に似ているのはこのためです。
また、この遺伝情報が一部欠けていたり、あるいは増えていても重大な病気につながることがあります。
それでは遺伝の仕組みがわかったところで、ゲノムについてご説明します。
そもそも遺伝情報とは、その人間ひとりを作り上げている設計図のような物です。そしてゲノムとは、この遺伝情報全てのことを指します。
覚えやすいですね。「遺伝情報の全て」がゲノムです。
皆さんはゲノム編集という技術を聞いたことがあるでしょうか?
これは遺伝子(次に解説)を切り貼りできる技術のことです。「ゲノム」を「編集」する技術なので、遺伝情報全体の好きな部分を編集できるという意味合いが含まれています。
2. 遺伝子について
それでは次に、遺伝子についてご説明します。
遺伝子とは、体を作る設計図の詳細に相当します。ゲノムが設計図そのものを指すのに対して、遺伝子は設計図上の文字や図形など、組み立て部品を作るための情報のことを指します。
具体的には、遺伝子は体内のタンパク質の設計図を担っており、その人の顔立ちや身長、また胎児のときの臓器形成(心臓や肺、骨、血液...)などを決定しています。
また、体内のホルモンや酵素なども遺伝子をもとに作られています。
つまり、体は遺伝子の働きによって作られているのです。
遺伝子は必ずしも完璧な状態で受け継がれる訳ではありません。
もし設計図の詳細が書いてなかったり、縮尺が間違ったりしていたら完成はしませんよね。遺伝子も同じで、遺伝子が間違っていると体に異常が出てしまいます。
身近な例はお酒の強さです。欧米人はほとんど全員が酒に強いですが、日本人は約半分が酒に弱く、5%ほどの人は全く飲めないと言われています。これは、アルコールを解毒する酵素の遺伝子に違いがあるためです。
解毒酵素の遺伝子が「酒に弱くなる」ように変化してしまい、それが後世に伝わったため、酒の強さに差が生じたのです。因みに、酒に弱い遺伝子を1つ持っていると酒に弱く、この遺伝子が2つだと酒が飲めなくなります。
(遺伝子は両親から1つずつ受け取ります。つまり、酒に強い親からは酒に強い遺伝子が、酒が飲めない親からは酒に弱い遺伝子が、中間型の親からはどちらか一方の遺伝子が受け継がれます。)
加えて、遺伝子は急に変わることもあります。代表的な例はがんです。
体内の細胞の増加ペースは遺伝子によって制御されていますが、この遺伝子に変化が起きて制御機能がなくなってしまうと、細胞が増殖し続けるようになります。
その結果がんになり、体を蝕んでしまいます。
以上で遺伝子についてご理解できたでしょうか。
遺伝子は、体を作り維持していくために必要なもので、人の体は数万個の遺伝子の働きにより制御されているのです。
3. DNAについて
最後に、DNAについてご説明します。
実は、遺伝情報の部位を表す「ゲノム」や「遺伝子」とは異なり、DNAは化学物質の名前です(デオキシリボ核酸)。
設計図で当てはめれば、設計図を書くための道具(例えば鉛筆など)に相当します。つまり、ゲノムや遺伝子などの遺伝情報は、DNAによって形成されているのです
DNAは約30億個つながっていて、これが2本組み合わさることで有名なDNAらせんが出来ます。この30億個というのはゲノムとしての長さ、つまり人を作り出すために必要な遺伝情報の長さです。
(厳密には30億個がつながっている訳ではなく、断片を合計すると30億個分になります)
また遺伝子は、DNAらせんの中でDNA数百〜数万個のまとまりによって作られています。
マジックペンで紐の上に点を書いた状態がこのイメージに近いと思います。
紐が遺伝情報全体、つまりゲノムです。紐の上に書いた点が遺伝子です。
そして、紐がDNA配列を表しています。紐を虫眼鏡で拡大したときに見える毛の1本1本を1個のDNAと捉えても良いかと思います。
以上をまとめると、
- 遺伝情報はDNAによって書かれている
- 遺伝情報全体をゲノムと呼ぶ
- ゲノムのうち、体の構成物のもとになるのが遺伝子
ということです。
いかがでしょうか。
DNA、遺伝子、ゲノムの違いについてご理解いただけたら幸いです。
これからも医学情報を発信して参りますので応援よろしくお願いします。
【意外と知らない】認知症って実際どんな病気なの?
今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
みなさんこんにちは。医学生の山田です。
【今週の話題】がおじいちゃん・おばあちゃんとのことなので、認知症についての記事を描いてみました。難しい内容もありますが、最後までお読みいただけたら嬉しいです。
高齢になると認知症が心配ですよね。
平成29年の内閣府の調査では、2020年は高齢者の6人に1人が、2050年には高齢者の4人に1人が認知症になると予想されています。こんなにたくさんの人が患っている病気ですが、なぜ認知症になるのか、どのように治療するのか等はあまり知られていません。
そこで、とても身近だけど意外と知らない「認知症」という病気について、少しだけ詳しくお話します。
[目次]
1.そもそも認知症って?
2. 認知症の分類
3. アルツハイマー型認知症って?
4.認知症の危険因子
5.治療方法について
1. そもそも認知症って?
認知症とは、脳に障害が起きることで脳の機能が低下し、日常生活が営めなくなる病気です。
認知症と聞くと、みなさん物忘れを思い浮かべると思いますが、一般的な物忘れと認知症による物忘れは、実際には少し異なります。老化によって起こる物忘れは「思い出すことができない」状態です。一方で認知症は「覚えることができない」状態です。
つまり、映画を見たときに主人公の名前が思い出せないのは普通の物忘れ、そもそも映画を見たこと自体を思い出せないのが認知症と言えます。
このように多くの事を忘れてしまったり、判断能力が鈍ったりするため、認知症の患者さんは日常生活を送ることが大変なのです。
2. 認知症の分類
認知症の概要を知っていただけたので、次は、認知症の分類についてお話します。
「認知症」という病気はひとまとめにされていますが、実はその原因はたくさんあります。「かぜ」という病気を引き起こすウイルスがたくさんいて、病院に行っても何というウイルスが原因なのかは教えてもらえないのと同じですね。ここでは認知症を引き起こす原因の型についてお話します。
おそらく多くの方が「アルツハイマー型認知症」という言葉を聞いたことがあると思います。認知症の大半を占めるとても有名な病気です。
実は、他にも認知症の型はたくさんあります。
大まかに2つに分けると、症状が改善する認知症と改善しない認知症があります。
改善するものは他の病気が原因になっていることが多いです。例としては、うつ病、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠損症、硬膜下血腫などがあります。うつ病や甲状腺機能低下症は体全体の機能が落ちてしまう病気です。ビタミンB12は脳内の神経が働くために必要な物質で、それが無くなると神経細胞がダメージを受けてしまい認知症につながります。硬膜下血腫については、事故や転倒などで頭蓋骨の中で内出血を起こすと血の塊ができます。これが悪さをして認知症のような症状が出てしまうのです。
以上で挙げた4つの病気は適切に治療すれば治ります。そのため、認知症になっても回復する可能性はあるのです。
一方で改善しないものは、血管性認知症(約20%)やレビー小体型認知症(約5%)、そしてアルツハイマー型認知症などがあります。血管性認知症は、脳梗塞などによって脳内の血管が破れてしまい、その周りの神経細胞が働かなくなる病気です。レビー小体型認知症は、その名の通り「レビー小体」という異常なタンパク質が溜まり、脳の働きを邪魔する病気です。この3つが認知症の大半を占めています。
そのため、残念ながら現在の医学では、認知症の多くは元通りになることは無く、あくまでも進行を抑える治療が行われます。
続いて、アルツハイマー型認知症について、詳しい病態を説明します。
アルツハイマー型は、「アミロイド」という健常者でも作られる物質が、脳内に異常に溜まってしまう病気です。その結果、脳の神経細胞がダメージを受けてしまいます。
例えて言うならば、脳内に記憶に関わる道路があって、そこに岩が落ちて車が通れなくなり、記憶が定着しない病気なのです。
症状としては、記憶障害、判断能力の低下、時間がわからない、精神状態が不安定などがあります。
脳内でダメージが溜まり続けると、記憶などに必要な様々な経路が萎縮するため、病状がゆっくりと悪化し続けてしまう怖い病気です。
4. 認知症の危険因子
認知症は怖い病気だとわかりましたが、それでは、どのような人が認知症になりやすいのでしょうか。
加齢と遺伝的要因の2点がリスクファクターとして知られています。
加齢については、みなさんご存知の通りです。稀に若くして認知症を発症してしまう方もいますが、多くは高齢になってから発症します。アルツハイマー型認知症では、アミロイドという物質は発症の10年前から蓄積しているとも言われており、発症までに時間がかかる点からも加齢が危険因子であることは明白です。
また、遺伝的要因も関係しています。
例えば、ダウン症の多くは21番染色体が3本あることに起因しますが(染色体:DNAの集合体。人のDNAは23種類46本の染色体にグループ分けされている。通常は両親から23本ずつDNAを受け取るので、健常者は23*2本の染色体を持つ。ダウン症では1本多くの染色体を持つことが多い)、21番染色体ではアミロイドβを作り出すのでアミロイドβを作りすぎてしまい、健常者よりもアルツハイマー型認知症になる可能性が高いのです。
他にも、若年性アルツハイマーの原因となる遺伝子(presenilin-1)や家族性アルツハイマーの原因となる遺伝子(ApoE4)などが知られています。
しかし遺伝性の認知症は全体数から見ると稀なので、むやみに心配する必要はないでしょう。
今まで危険因子について説明しましたが、働き盛りに認知症を発症する方もたくさんいますので、上に該当する方のみが認知症になるわけではありません。あくまでも「危険因子」であり、誰もが認知症になりうることは心に留めておいてください。
また、それ以外にも、生活習慣と認知症の関係が示唆されています。規則正しい生活は認知症以外にも、糖尿病や高血圧をはじめとした多くの病気を予防できるので、歳をとっても健康を維持したい方には強くオススメします。
5. 治療方法について
先ほど認知症は治らない場合が多いと述べましたが、治療方法がないわけではありません。適切な治療によって症状の進行を抑えたり、場合によっては改善する部分もみられます。
アルツハイマーの認知機能低下を抑える薬としては、リバスチグミン 、ドネペジル 、ガランタミン、メマンチン (一般名)が認可されています。
最初の3つは、脳内の神経どうしが連絡をとるために必要な物質(ACh)の分解を抑える薬です。メマンチンは、脳内活動を抑制しているスイッチ(NMDA受容体)をOFFにする薬です。どちらも脳内の神経細胞を活性化することで、認知機能の低下を防ぎます。
ただし、上に挙げた薬は病気の進行を抑えるだけで、元通りに戻すことは難しいです。そのため、もしも身近な方が認知症になってしまった場合は周りの方のサポートが重要になります。
まずは、怪しいと感じたら医療機関への受診をしてください。何事も早期発見が大切です。
これ以上は、医学生の身ではアドバイスは出来ません。あまりに無責任になってしまうので。ただ、適切なサポートを行うことは介護者にとっても、認知症患者にとっても大事なことだと思います。
認知症は親しい人や、もしかしたら自分の身に降りかかるかもしれない病気です。正しい知識を身につけ対策しておくことで、いざという時に落ち着いて対処できるのではないでしょうか。
以上、長らくお読みいただきありがとうございます。
これからも医学情報を発信して参りますので応援よろしくお願いします。